【8】2010年 土師祭

2010年らき☆すた神輿組み立て中

8月中旬。鷲宮駅から神輿の搬出作業が行われ、いよいよ2010年の土師祭に向けた準備作業が始動しました。

今回は前年のような大幅な改造は行われないものの、製作から二年を経てるうえ、幾度にも渡る分解・組立の繰り返しによって各部に生じている傷みなどを修理しつつ、新たに渡御に耐えうるための補強を各部に施し、目立たないながらもパワーアップした装いを見せることとなりました。

その頃には今年度の担ぎ手募集も着々と行われており、今回もネットにて行われた募集では開始ほどなく募集定員に達するなど、注目の高さが伺えました。

2010年らき☆すた神輿

そして9月5日。今年も土師祭の日を迎えた鷲宮には、朝から商店街に出店準備の槌音が響き、行き交う人々も期待に充ちあふれた表情を見せています。

今年の土師祭は、土師祭輿曾と共に鷲宮商工会及び埼玉新聞社が共催に加わり、それにともなって様々な興味深いイベントや出店などを加えたものとなり、来訪された皆さまにより多様な面で楽しんでいただける一日が演出されました。

まず事前のニュースなどでも話題となったのが、商店街道路をステージとして開催された「WOTAKOIソーラン祭り」。アイドルのコンサートなどで、曲に合わせた風変わりな踊りを客側が行う「オタ芸」を、普段行われている狭いライブ会場から商店街に場を移してもらい、その華麗なるパフォーマンスを思う存分発揮してもらおう、という企画で、秋葉原のライブスペース「ディアステージ」の協賛のもと、ステージに立つ「ディアガール」及びオタ芸師の皆様がそっくり商店街に集結し、アニソンライブと共に華麗なるパフォーマンスが繰り広げられました。

見物客の皆様も最初は少々驚かれた様子で眺められていましたが、ステージが盛り上がってくると、見よう見まねでパフォーマンスを真似てみる見物客さんたちの姿なども見られるようになり、何から何まで風変わりなイベントは祭りに新鮮な風を吹きこんでいきました。

2010年土師祭昼

前回は神社脇のテントなどに設置されていた各種グッズの物販ブース。今年は駅入口交差点付近に大々的にブースが展開され、オリジナルグッズ等の販売が行われました。

一番の注目となったのが、「埼玉新聞社」ブースで発売となった「土師祭オリジナルTシャツ」。美水かがみ先生の書き下ろしイラストが使われたTシャツはたちまち評判となり、購入者の列が長く続きました。隣の「47CLUB」ブースでは埼玉新聞オリジナルねんどろいど、「NTTドコモ」ブース及び「キャラアニ」ブースでもグッズ販売が行われ、「健爽本舗」では、祭りの前より発売となっていた、西又葵先生デザインのラベルが描かれた「痛茶」が販売され、気温35度を越える猛暑となったこの日の水分補給に多大な貢献をもたらしました。

一風変わった展示となったのが、「鷲宮☆物語」のアニメ部分の製作などを担当した「日本工学院」ブース。学校案内と共に展示された「学校公認」痛車はなんとポルシェ! ラッピングに彩られた高級車は、道行く人々の目を大変に引いていました。

そんな賑やかなお祭り会場をさらに華やかにしていたのが、色とりどりの姿で街を歩くコスプレイヤーさんたちです。前回までの土師祭でも自主的に行う姿がちらほらと見られたコスプレを、今回は大々的に公認行事の一環として行われることとなり、商店街から鷲宮神社の境内までの広い範囲で、普段の街中では制限されがちなコスプレを自由に行えるという企画に、全国から大勢のレイヤーさんたちが集結しました。そのジャンルもらき☆すたはもちろん、思い思いのキャラに身をまとっており、その光景はレイヤーの皆さん自身ももちろん、街の方々も珍しげに楽しまれておりました。中でも神社の境内では、普段なかなかいいロケーションでの撮影などが難しい神職系の衣装をまとったレイヤーさんが目立ち、関東最古の神社との素敵なマッチングが華やかさをより高めておりました。

2010年らき☆すた神輿昼渡御

午後1時。いよいよ祭りの本番である神輿の出発です。昨年及び一昨年は、昼間の神輿は千貫神輿のみでしたが、今年は特別にらき☆すた神輿も昼間に渡御されることとなりました。担ぎ手には千貫神輿の担ぎ手のうち女性を中心としたメンバーがあたり、行灯がともる夜の渡御とはひと味違った雰囲気で、勇壮な千貫神輿と共ににぎにぎしく行われました。夜遅くに神輿を見ることができないという昼間の見物客の皆様にも評判は良かった様子で、併せて各種のテレビ取材なども行われておりました。

2010年らき☆すた神輿渡御前

一方鳥居の前では夜の本番にむけて神輿の担ぎ手受付が始まり、全国から訪れたらき☆すたファンの皆様が揃いのTシャツを身にまといました。初めて担ぐ方のための練習や記念撮影なども行われており、ちょっと慣れない足つきで駐車場内を動く姿は、むしろそれすら写真撮影の格好のターゲットとなっている感もありました。

あたりが次第に闇に覆われた頃、いよいよ夜の千貫神輿及びらき☆すた神輿が出発。祭りはクライマックスへと向かいます。関東有数の大きさと重量を持つ神輿を担ぐため、関東一円から集結した大の神輿好きな担ぎ手一同、日本どころか世界でも他に例のない、コミック作品を散りばめた神輿を担ぐため、日本全国から集結した大のらき☆すた好きな担ぎ手一同。その思いが一気にはじける瞬間です。

2010年らき☆すた神輿渡御1区

コースは例年通り、鷲宮図書館までの商店街を往復するルート。それぞれを3区間ずつに分け、間で休憩と担ぎ手交替が行われるという方式です。千貫神輿が先行し、その後を追う形となるらき☆すた神輿は、担ぎ手も少々焦り気味になってしまうのか、しばしば間隔を詰めすぎてしまうこともあるため、調整をしながら進行をしていくのが鍵となっています。たまに長大休止があったりすると、その際は絶好の撮影タイムとなり、カメラの砲列を浴びることになります。

2010年らき☆すた神輿渡御2区

 

そんな中今回も、昨年好評だったかがみコスの「乗り手」さんが、今年も紫の髪をたなびかせて堂々搭乗。その勇壮な姿には集まった多くの観客が再び魅了されました。御輿を担ぐのにはやはりバランスとリズムが肝心。他所の神輿ではマナーなどの観点から神輿搭乗を禁止している場所もあるのですが、千貫神輿では伝統的に子供の乗り手が乗ってリードを取ることで、担ぎ手の一体感と勇壮なリズムを奏でています。らき☆すた神輿でも、元々神輿を担ぐこと自体に不慣れな面々が多いだけに、このリード取りは非常に肝心。神輿を華やかに彩るだけでなしに、非常に重要な役割を担っているのです。

神輿は順調に進み、第3区間の終点である鷲宮図書館前に到着。ここで小休止となります。神輿の各休憩地点では、担ぎ手に水や軽食などの「振る舞い」が行われるのも神輿ならではの光景ですが、ここ鷲宮のらき☆すた神輿はそこもひと味違う点。ご存じチョココロネがこの折り返し地点では配られるのです。疲れた時には甘いものがよい… とはいえこの状況で食べるチョココロネは結構大変。あちらこちらでこなたばりの悪戦苦闘が見られるのも、この場所この人々ならでは許される光景と言えるでしょう。

そしていよいよ後半スタート。昨年ぐらいから神輿の周囲では、担がずに移動する順番待ちの担ぎ手やファンがサイリウムを振る光景が見られています。近年声優さんのライブなどですっかりおなじみとなったサイリウム(ルミカライトとも)。照明を落としたコンサートホールなどでの応援アイテムとして、今や無くてはならない品ではありますが、夜の中を行く神輿の盛り上げアイテムとしてもなかなかに有用。伝統の千貫神輿とはまた違った新たな盛り上げ方として、使用後のゴミ処理だけを注意すれば以降も使っていきたいものです。

2010年らき☆すた神輿渡御6区

時刻も21時をすぎ、いよいよクライマックスである、鳥居前での千貫神輿との共演が始まります。先行する千貫神輿が到着し、ここを目標に間隔を詰めていたらき☆すた神輿が横に並び、両者最後の力を振り絞った揉み合いが、長かった一日を締める最後の大盛り上がりとなって、圧倒的な迫力となって観客の心をつかみます。

そして拍子木の合図と共に全てのスケジュールが終了。今年の成功の喜びと来年への希望を語り合い、祭りの余韻にひたりながら、皆それぞれの夜へと向かって行ったのでした。